子宮頸がんワクチンの被害者が、新たな被害者を産み出し続けている

投稿日時:2019-04-17 09:36:48

投稿ユーザー:匿名

タグ:子宮頸がんワクチン, HPVワクチン, 副反応, 副作用, エビデンス

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人生には必ずリスクが付いて回る。生まれた瞬間から、ミルクをつまらせる事故、寝る体勢による事故、歩けば転ぶ事故と生きることそれ自体が危険と隣合わせだ。大多数には取るに足らない危険でも、数十億人いれば中には生命を脅かす重大な事故に繋がることもある。

では危険を回避するためにミルクを飲まずに成長できるか。それは無理だ。人間的で豊かな生活を送るためには、一定の危険は甘受する必要がある。普段意識するにせよ、しないにせよ、人生はそうしたリスクと利益を天秤にかけた決断と結果の連続だ。

今回問題となっているHPVワクチンも同じだ。予防接種や薬、手術に関しても、全て危険が存在する。絶対に失敗しない手術がないように、全く副反応のない予防接種は存在しない。それでも人類が社会性の中で生存している以上、感染症とは無縁に生きることはできない。百日咳、日本脳炎、ジフテリアといった病気の蔓延は健全な社会の破滅に繋がる。
そうした病気の予防は健全な社会の構成に資する、いわば公益目的の事業と言える。
まさしく有名なトロッコ問題と同じ。接種すれば副反応で被害者が出る。接種しなければそれ以上の被害者が出る状態。
つまり、副反応のリスクに対し、公益がまさると判断した場合、公的な予防接種が実施される。

ここで大切になるのが科学的根拠(エビデンス)だ。実際にどれだけの効果があるのか、どれだけの副反応があるのかを科学的・統計的に分析できて初めて公益性を判断できる。このように現代医療では効果とリスクを科学的根拠を元に分析し判断される。

その前提において今回問題になっているHPVワクチンについて考えてみよう。
HPVワクチンは子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスへの感染を予防する効果が確認されている。
世界ではHPVワクチンの有効性は実証済みだ。日本でも短期間ながら20代の摂取群では感染率が2.2%から0.09%に低下するなど、現実に有意であると証明されている。実に94%の減少だ。

日本は先進国で唯一、子宮頸がんが増加している国だ。いまでも年間約3,000名が命を落とし、10,000人が子宮を摘出している。子宮を摘出すれば子供を授かることはできない。そのため「マザーキラー」と呼ばれる。子宮頸がんは死亡もしくは子宮の摘出という重大な被害を生む。

HPVワクチンによって10,000人の94%、年間9,400人が子宮を摘出せずに済む。それにもかかわらず日本ではワクチンの摂取が進んでいない。その原因は国による積極的な接種勧奨が一時中止したためだ。70%近い接種率から、現在では0.1%まで落ちている。これは制度的な殺人、不作為の殺人と言われても仕方がない。

ノーベル平和賞を受賞した本庶佑教授もこの現状を「国際的にみても恥ずかしい状況」と強い口調で非難している。また教授は「原因はマスコミにある」とも指摘している。

政府がワクチンの摂取を一時中止したのは「副反応」に関する偏った報道にある。ワクチンを摂取した10代の少女たちが慢性的な疼痛や体のしびれを訴えているという姿を大々的に放送したのだ。放送するにつれて被害を訴える少女は増え「因果関係を否定できない」と積極的なワクチンの推奨が中止された。

しかし皮肉なことに日本でHPVワクチンの摂取を中止した直後にWHO(世界保健機関)が安全宣言を出し、摂取を推奨した。タバコや酒だけでなく砂糖の摂取量すら細かく制限を訴えるWHOですら安全とお墨付きを与えた。しかも2018年には追加の安全宣言を出している。
それもそのはずで、2017年3月までに2億7千万本以上が供給されエビデンスは十分に証明されているからだ。

ではなぜ日本でだけ副反応と呼ばれる症状が多いのか。経過などから判断するに、結論として演技性パーソナリティ障害や心因性の疼痛と断定されている。
しびれなどを訴えた例では10代の少年少女にありがちな演技性パーソナリティ障害の数と同程度とのこと。また、HPVワクチンはインフルエンザなどの予防接種と異なり、太ももや肩などの筋肉に注射する必要があるため痛みが強い。この痛みへの反応として発熱、悪寒、倦怠感、意識消失など、さまざまな症状が出ることがわかっている。

さらに心因性の症状を悪化させる原因がある。それがマスコミによる誤った報道だ。マスコミで何度も副反応の報道をすることで、子どもたちに過度の不安・緊張感が生まれた。そして少女たちの心で副反応は作り出された。
こうした心因性の副作用は実際に確認されている。偽薬でも副作用があると教えられ投薬すると、本当に副作用が出るという実験も発表されている。しかも薬を効果が高そうな容器にいれると副作用が強く出たそうだ。

特に十代の女子は多感な時期だ。過換気症候群やパニック障害など、ストレスや不安を連鎖して集団発症するリスクが高い。そのような年代の少女たちに連日のように副反応のニュースを見せればどうなるかわかりきっている。

このようにごく僅かな症例をことさら煽って報道することは不作為犯と同じだ。自殺の報道が自殺を誘発することは知られているが、今回のワクチンの問題も同じだ。特にマスコミはこのような不安を煽る報道を厳に慎まなければならない。

ジャーナリストによる報道で薬害が認められた裁判も確かにある。薬害肝炎訴訟や、薬害エイズといった事件だ。見過ごされていた被害者にスポットを当てることで事件が明るみに出て解決へと繋がった。
ただし、明らかになった科学的根拠をもとに被害者の権利を回復することと、不確かな情報をもとに副反応と煽り立てることは全く別だ。

誤った報道で不安を煽られて副反応に苦しむ少女たち。彼女たちもHPVワクチンの被害者であることには変わりない。マスコミだけでなく、そうした不安を取り除くことのできなかった社会の責任でもある。少女たちが集団訴訟を起こしているそうだが、全く不幸なことだ。

副反応に苦しむ少女たちを「演技だ」「嘘だと」非難する人もいるようだが、こうした非難はあまりにも短絡的と言うべきだ。予防接種に際して彼女たちの身に起きたことは事実であるし、それがマスコミに誘発されたものであろうが、心因性のものであろうが、エビデンスがあろうがなかろうが、彼女たちにとっては自らの身に起こった紛れもない真実であるからだ。よりよい社会、薬害のない社会を実現しようと、義憤に駆られ立ち上がったに違いない。

ただ残念なのがそうした訴訟が彼女たちの納得にいく形に落ち着かないだろうということだ。世界中で安全性が証明され続けており、ワクチンと副反応を結びつけるエビデンスは得られずに終わるだろう。

さらに輪をかけて残念なのが、彼女たちの集団訴訟がワクチン接種再開を妨げていることだ。原告団のスローガンに「望むのは普通の生活ただそれだけ」というものがある。こうした当然の主張が、ワクチン接種で救えるはずの普通の生活を破壊する。いわば被害者が被害者を生み出し続けている。こんな不幸の連鎖は一日も早く断ち切らねばならない。
心ある医師たちは声を上げているが、なぜかマスコミは取り上げない。国は責任を恐れ及び腰だ。こうした問題こそリーダーシップを持つ政治家の出番ではないか。一日も早い英断を期待したい。

「因果関係確認できず」名古屋市の子宮頸がんワクチン調査とメディアの曲解

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5756

引用の本文:名古屋市の報告書はコンパクトでわかりやすい。是非、メディアの流す二次情報ではなく、原典を自分の目で確認してみてほしい。

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