真実を知りたいなら、田村淳の言うことを疑おう
「鼻血が出た=放射能の影響」
低線量の被爆で鼻血が出ることはない。全く科学的根拠の無いことだ。
しかし被災地に足を踏み入れて、実際に鼻血が出た人にとっては「根拠」がある。
自らの体験こそ、最大の「根拠」だからだ。
自分で体験したことこそ真実。他人の意見なんて馬の耳に念仏。実はそういう人は多い
ジンクスを大切にする。ルーティーンを大切にする。そんな根拠の無い非科学的な習慣を大切にする。人間とは元来そういうものだ。
ギャンブル中毒者は、負けた記憶よりも、勝った記憶が強く残るという。
ギャンブルで勝った経験は、「統計で見たら負ける」といった事実から目を背ける。ギャンブル中毒者に「やればやるほど負ける確率が高まる」と諭したところで無駄なことだ。かれらは理解できても、実感はできない。
肉食動物は一度でも狩りに成功した場所は忘れない。そして粘り強く獲物を待ち続ける。いつ来るかわからない獲物を高い集中力を持って待ち続ける。それは肉食動物に必要な本能だ。
しかし、その本能は「ここで待ち続けても、獲物が来ないかもしれない」という事実から目をそらす。成功体験がそうさせる。
多くの人が過去の成功体験から抜け出せずに失敗を繰り返す。人間も動物にすぎないということを実感する例だ。
鼻血が出たことと、放射能を結びつける人がいる。今回のロンドンブーツ1号2号の田村淳がその一人だ。
普通に考えれば、放射能と鼻血を関連付ける人はいない。一切科学的根拠がないからだ。「鼻血が出るのは宇宙人が怪電波を発しているからだ」と言われて信じる人が居ないように。
しかし、福島第一原発事故と、放射能に関する無知、実際に鼻血を体験した、という実感が、判断を狂わせた。そのお膳立てが、前福島県双葉町長の井戸川克隆による、荒唐無稽な主張を信じさせた。
「実際に体験した人」と「そうであって欲しい人」とがタッグを組めば何でも捏造できる。科学的根拠も、真実も彼らの目から見れば偽りとなる。事実、井戸川は科学者に関連性を否定された今でも「私にとっては事実だ」と吹聴している。
今回は悪いことに、人気コメディアンと、元市長という肩書のある人物が共謀した。その風評被害たるや甚大である。
今回の件に関して田村淳は判断を誤ったとして、謝罪に至っている。いったん主張したことを誤りと認めるのは勇気のいることだ。謝罪からわかるように本人は「真実を伝える良いこと」と考えて風評被害を生み出した。
人間はとかく「真実」よりも「信じたい事実」を信じる。情報のあふれるネット社会にあっては、荒唐無稽な主張が簡単に集積する。もっともらしい理屈をまとった風評被害やデマは驚くほど簡単に広まる。
我々はそうした情報の真偽を慎重に見定める必要がある。たとえ相手が信頼のおける人物で、善意から言っているとしても、それが真実であるとは限らない。悲しいことだが、我々が新たな風評被害を広めないためにも、正しく疑うことが必要だ。
ロンブー田村淳 謝罪 訂正 そして伝えたい事 - ロンブー淳の崖っぷちタイトロープ - 芸能コラム : 日刊スポーツ
http://www.nikkansports.com/entertainment/column/tamura-atsushi/news/1592676.html
引用の本文:ロンドンブーツ1号2号の田村淳に、日刊スポーツのさまざまな分野の記者が話を聞く連載「ロンブー淳の崖っぷちタイトロープ」。今回は、9日に掲載した「原発問題。都合… - 日刊スポーツ新聞社のニュースサイト、ニッカン...
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コメント
ID:2
名前:匿名
投稿日時:2016-03-21 12:33:00
ニュースキャスターでも狙ってるんでしょ。最近芸人のキャスターがもてはやされてるし。
2位
ID:1
名前:匿名
投稿日時:2016-03-15 08:29:11
最近特に政治的な発言するようになってきた。
政界進出でも狙ってんじゃないの?
1位