外国人実習生を奴隷にしない監視体制を整えるべき

外国人研修制度は外国人が日本で研修を行い、母国に帰ってから技術を活かすために導入された制度だ。

しかし実際は日本人のやりたがらない過酷の労働や、単純作業を最低賃金以下で雇うために使われている。

特に問題なのはそうした違法行為が「発覚しにくい」ことだ。
理由は簡単、寮などの施設と仕事場を往復するだけの生活で、外部との接触がない。
また、日本語が話せず、日本の法律に疎い実習生が多いため、不満や疑問を相談したくてもできないという事情があるからだ。

他にも日本に研修に来るには渡航費等を斡旋業者に借金していることが多く、母国の家族に仕送り等をしなくてはならないため、過酷な環境であっても甘受せざるを得ないという背景もある。

こうした弱者を食い物にする環境は一部の悪質な会社だけではなく、多くの受入企業で行われていた。
そのため法律が改正されたが、保護・監視体制は十分とは言えない。

日本人のためのハローワークですら求人票と労働条件が異なるのが常態化しているのが現状だ。
「可能なら労働者を奴隷化して私服を肥やしたい」というブラック企業は表面化されていないだけで数多く存在する。労働者を縛る鎖は形を変えただけだ。

外国人実習生という弱者にとって働きやすい制度を構築することが、迂遠なようでも日本全体の労働条件の改善に繋がっていくはずだ。