共産党にとって絵に描いた餅だけが唯一の実績

投稿日時:2017-06-26 11:55:02

投稿ユーザー:匿名

タグ:共産党, 公明党, 実績, ハイエナ

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都議会選挙が告示され、各党が舌鋒鋭く論戦を戦わせている。
そんななか、公明党がツイッターの公式アカウントで共産党を「3つのKでわかる共産党ってどんな党?」とするツイートを投稿した。

3Kとは具体的に以下の頭文字を取ったものらしい。
汚い! 実績横取りのハイエナ政党
危険! オウムと同じ公安の調査対象
北朝鮮! 「危険ない」と的外れな発言

過激な発言として世間を賑わせているようだ。
特に注目されているのは「実績横取りのハイエナ政党」の部分。
公明党いわく「私立高校の授業料を実質無料化したのは公明党の実績だ」というものだ。
ここでは公平に、どちらの主張も取り上げてみる。

●共産党(赤旗)の主張は以下の通り

「私立高授業料の軽減拡充」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2017-01-19/2017011901_03_1.html

●公明党の主張は以下の通り(第三文明は公明党の言論機関)

「あきれた共産党の〝実績〟アピール――選挙が近づくと毎度のことですが」
http://blogos.com/article/207938/

こうしたやり取りを検証した記事として以下のブログ記事が話題になっている。

「私立高校無償化は本当に公明党の言う通り、共産党の「実績横取り」なのか? 都議会の議事録を調べてみた。」
http://ichiro-jeffrey.hateblo.jp/entry/2017/06/21/215715

記事は選挙ウォッチャーと名乗る宮原ジェフリー氏によるものだ。
選挙ウォッチャーなるものは浅学な私には初耳だったが、この記事の主張はこうだ。
「都議会の議事録を調べ私立高校授業料の実質無償化について質問や要望した数で実績がわかる」というものだ。

議事録では共産党は23回、公明党は5回。さらに共産党は公明党よりも前にこの政策について取り上げていた。
よって『公明党広報のツイートの「「私立高校授業料の実質無償化」※全て都議会公明党の実績です。」は言いがかりと言えるでしょう。』とのこと。

…ん?
…果たしてそうだろうか?
都議会で質問することが実績と言えるだろうか?

せっかくの選挙期間。都議選への関心も高く、話題性もあるようだ。
そこで共産党と公明党。どちらの主張が的を射ているのか、私なりの考えを披露します。
かなりの長文になるので、時間のある時にでも読んでいただければ幸いだ。


■それぞれの政党による実績論

そもそも政党の実績とはなにか。
一般では「実績」とは「実際に現れた成果」のことだ。
今回の例で言う「私立高校授業料の実質無償化」が成果。では本当に実現させたのは、どこの政党だろうか。

共産党が実績の根拠にしているのは「議事録で質問した」「市民の声を署名で提出した」「自分たち独自の法案を出したが否決された」という部分だ。

対して公明党は「財政当局を説得し、都知事と協力して政策を実現した」というのを実績の根拠にしている。

ここで整理しなければならないのは共産党は野党で、公明党は与党という点だ。

野党の役割は与党を監視し、間違いを指摘することにある。可能であれば自分たちの対案を示したりもする。
ただし、前提として野党の政策が反映されることはない。与党と異なるからこそ違う政策を提案するが、政権交代しない限り実現することはないからだ。
超党派で法案が提出されることもあるが、基本的には稀な例だ。

公明党は少数政党だが連立与党だ。連立を組むのはメリットがあるからだ。
他の法案を飲む代わりに、自分たちの法案も通す。
多数派に偏った法案を、少数派にも配慮したものに修正する。
このように少数派でありながら、政策を実現できるのが最大のメリットだ。ただし与党である以上、限りある予算から政策を実現させ無くてはならない。
こうしてできた政策を「実績」としてうたっている。

まとめると、野党が法案を提出して実現させることは不可能。野党が実績としてアピールできるのは「批判や質問、または提案する」といった行為だ。

対して与党が実績としてアピールできるのは「政策を実現させたこと」となる。

こうした問題は仕事の実績についても同じことが言える。
「○円を売り上げた」という実績に対し、企画部門、生産部門、宣伝部門、経理部門とさまざまな人間が関わり合うのが普通だ。
それぞれの部門が「我々が企画した」「我々が生産した」「我々の宣伝が成功した」「我々が予算を通した」と実績をアピールしている図に似ている。

これではそれぞれの主張は永遠に平行線だ。

これが実績論の結論?
いやいや、もう少し掘り下げます。


■共産党の矛盾に満ちたマニュフェスト

共産党の特異な政策は広く知られている。
一つの例としては「増税反対だけど、社会福祉は充実させろ」という主張がある。

日本の財政は既に大赤字で、2017年現在、国民一人あたりの借金は837万円にもなる。
財源なき福祉の充実は、将来世代の負債に繋がる。財政健全化は喫緊の課題だ。
しかし安倍政権では長引くデフレからの脱却のため、消費税10%への増税を先延ばしした。これが危険な延命措置であることを証明するように、日本国債の格付けは落ち続けている。

つまり現在日本で可能なのは高福祉高負担か、低福祉低負担だ。

しかし共産党の主張は高福祉低負担である。
では財源はどうするのか?共産党の答えは以下の通りだ。

「消費税にたよらない別の道」――日本共産党の財源提案
http://www.jcp.or.jp/web_policy/2014/11/post-624.html

懸命な諸兄なら読んでもらえば分かる通り、どんぶり勘定、絵に描いた餅、全く実現する見込みのない空絵事と言える。
いちいち指摘するまでもないが、この主張の問題点を見ていこう。

●トヨタは不当な税金逃れをしていたのか

共産党が掲げる大企業増税の根拠として、トヨタが2008~12年度の5年間税金を払っていなかったことをあげている。文字面だけを見ると大企業が不当な税金逃れをしているかのようだ。

しかし現実は違う。トヨタは適切な会計処理をしたにすぎない。

黒字にかかわらず税金を払う必要がなかった理由は「赤字繰り越し制度」を利用したからだ。2008年のリーマンショックで大赤字になり、その穴を黒字の年度で埋めただけの話だ。これは大企業の特権でもなんでもなく、中小企業はもちろん、個人事業主でもほぼ同じ制度を利用できる。

●研究開発減税について

続けて研究開発減税で4000億円控除されていることが、大企業のみ優遇されていると主張している。

日本は資源がないため他国に先駆けて高付加価値の製品を生み出すことが重要となる。そのためには研究開発が生命線だ。特にハイブリット車、燃料電池車など最新のテクノロジーでしのぎを削る車産業にとって、研究費の負担は重い。
リーマン・ショック後、大企業の研究開発部門が多数閉鎖されたのは記憶に新しい。

しかし目先の利益を優先して研究を停止していては国際競争力は落ちるばかりだ。液晶やLEDといった、かつて採算が取れなかった研究が、世界を変えるテクノロジーとして花開いた事実を忘れてはならない。

このように、島国日本にとって研究開発減税は必要不可欠なものだ。
また、研究開発減税も大企業に限ったものではなく、条件さえ合えば中小企業も利用できる。

●海外子会社配当益金不算入制度について

海外子会社配当益金不算入制度についても触れておこう。

この制度は海外の子会社から得た配当を控除する仕組みだ。「世界に子会社を持つ大企業だけが6000億円も減税されている」とのこと。

大企業が海外で得た利益は、海外の税金が課される。この利益を日本国内に還元する際も税金が取られれば、二重課税になる。そうなれば海外で利益を上げても日本に還元されなくなる。
ただでさえタックスヘイブンによって税率の低い国へ拠点を移す企業が増えている。

為替リスクに二重課税となれば、ガラパゴス化は避けられない。ガラケーがスマホという黒船に淘汰されたが、同じ轍を踏まないためにも必要な控除と言える。

そもそも、大企業への締め付けによって産業の空洞化が進めば、税収の増加など夢物語だ。

●大企業増税と経済成長の矛盾

以上見てきたように、大企業への減税には根拠のあるものばかりだ。しかもそれらの制度を利用したとしても日本の実効法人税率は高い。

日本の法人税は35%だが、台湾は17%、韓国は24.2%だ。
かつて日本のお家芸と言われた液晶の生みの親であるシャープが台湾の鴻海(ホンハイ)に子会社化され、半導体も韓国のサムスンとの価格競争に破れシェアを奪われ続けている。

減税措置があるのはなにも日本だけではない。サムスンの実効法人税率は約11%、対してトヨタは34%、ソニーは約43%となっている。デジタル化によって製品がコモディティ化する中、価格競争の結果は戦わずして出ている。

さらなる増税で日本を支える主要産業が潰れれば、税収は減るばかりだ。

しかし共産党の主張によると、大企業へ増税した分を国民に還元すれば内需によってGDP成長率2%を達成できるとのこと。
さらに大企業の内部留保を国の財源に利用したり、賃金へ還元するそうだ。その根拠はなんと大企業の国営化だというのだから空いた口が塞がらない。

まさしく共産党の政策は「木を見て森を見ず」の体だ。
これらの主張が実現不可能であることは、まともな教育を受けた人間ならすぐに理解できる。共産党内部でも多くの人間が理解しているはずだ。

なぜこんな国民を騙すような矛盾だらけの政策を掲げられるか。
それは「共産党は絶対に政権を取ることはないから」だ。


■共産党が実現不可能なマニュフェストを掲げる理由

世界中で共産主義が失敗し、彼らの理想が幻想であったことは自明の理だ。現代において共産党のイデオロギーに求心力は皆無。
その証左として、共産党の機関紙「赤旗」の発行部数は昭和55年をピークに約半分に落ち込み、国会議員数も昭和54年に100以上あったが、1/5以下にまで数を減らした。

共産党の生き残り戦略はこうだ。
「政権獲得を目指さず、社会への不満や、現政権への反対票を集める」
このことは「確かな野党」という標語にも現れている。

●共産主義の実現を未だ夢見る既存の支持者

共産主義の夢は潰えた現在、若者への支持が広がるわけもなく、共産支持者の高齢化は目を覆うばかりだ。
しかし、それでも競争よりも平等といった共産主義的思想を捨てきれない人々は一定数存在する。
潰えた夢を覚まさないためには、夢物語のような政策がちょうどいい。

●社会的弱者・反社会勢力の糾合

競争社会から脱落したり、社会から隔絶されているような弱者。または現実への強い不満から社会の転覆を望んでいるような反社会分子。
そうしたものにとっては「民進党の政策では生ぬるい。もっと社会を根底から変革するような政治を…」となる。

「大企業や大金持ちから金を巻き上げろ。遠慮することはない、元々は我々から不当に搾取した金だ。」
こうした人々にとっては、共産党の政策は魅力的に映る。


●民進党(民主党)離れ

先の自社さ連立政権や、民主党による政権交代が、惨憺たる失敗に終わったことから、国民の野党アレルギーは相当なものだ。
しかし投票の棄権を良しとしない行き場を失った反対票は、共産党へ流れることになる。
求心力を失い、減り続けた議席だが、2015年の選挙でこうした反対票を取り込むことで議席を伸ばすことに成功した。
ここに活路を見出し「国民連合政府」を呼びかけた。反自民票の受け皿になることで党勢の拡大を狙ったものだ。
もちろん「政策の一致」などは一切考慮していない。いくら弱った民進党でも、この玉虫色の泥舟には乗らなかった。


■共産党の「実績」は解釈の違いで片付けられる問題ではない

以上の検証から分かる通り、共産党はその特殊な思想と、政権を取るつもりがないという前提から、政策が現実的である必要がない。むしろ現実的でないほうが支持者に受けが良い。

そのため、高福祉低負担を求める質問や要望を際限なく主張することができる。
「どうせ絵に描く餅ならば、美味しく見せた方が良い」というわけである。

福祉が充実すれば自分たちの提案が受け入れられた実績となり、増税されれば大企業優遇・弱者切り捨ての暴挙と喧伝する。

実際に成立した政策は作成せず、予算案には反対し、質問だけを根拠に都合の良い部分だけを実績だと主張する。しかも福祉の充実に必要な増税には反対する。

こうした行為が「実績」と呼ぶのにふさわしいかどうか、有権者の賢明な判断に任せたい。


私立高校無償化は本当に公明党の言う通り、共産党の「実績横取り」なのか? 都議会の議事録を調べてみた。 - ichir...

http://ichiro-jeffrey.hateblo.jp/entry/2017/06/21/215715

引用の本文:宮原ジェフリーです。選挙ウォッチャーを名乗って主に選挙ドットコムというwebメディアに記事を書いたりしてます。 過去にはTBSラジオで選挙の話をしたり、沖縄でトークイベントをしたりしたこともあります。 本当は現代美...

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