自らの武器で自殺するワタミ

投稿日時:2015-09-19 22:49:00

投稿ユーザー:匿名

タグ:ワタミ, 過労死, ブラック企業, 渡邉美樹

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一代にして全国600店以上に展開したワタミ。その巨塔が苦境に喘いでいる。

ワタミの武器は安価で豊富なメニューだが、それを支えるのは低賃金でサービス残業を厭わない「質の高い」従業員を育てる教育制度だった。
もちろんこの「質の高い」はワタミにとって都合の良い「幻の人参によって走る馬車馬」という意味だ。

それは「夢のためだからお金なんていらないよね」「営業12時間のうちにメシを食える店長は二流だと思っている」「365日24時間死ぬまで働け」という数々の有名なブラック発言に現れている。

ワタミにとって低賃金で最高のサービスをする従業員は最大の武器であり、アイデンティティでもあった。それはある段階までは有効だったが、従業員の過労死という事態に陥り一線を越えてしまった。

その事実だけで大失敗だが、ワタミの最大の失敗はここからだ。
「従業員の献身的な奉仕には限界があり、行き過ぎたやりがい搾取は従業員を死へ追いやる」という当たり前の事実を認めることができないのだ。
これを認めることはワタミ流の成功体験を味わった経営者や幹部にとって、ワタミのアイデンティティを否定することに繋がるからだ。自らの最大の武器を放棄しろと言われているのと同義なのだろう。

その焦燥はワタミ過労死裁判の第2回口頭弁論で傍聴席を社員が占領した事実でも如実に現れている。
まともな感覚を持っていれば、社会的に大きな意義を持った裁判の傍聴席を社員で埋めようと徒党を組めば批判が起こることくらい容易に想像できる。
その当たり前の事実を認識できないほど、ワタミの常識はネジ曲がっている。もちろん彼らにも言い分はあるだろう。自らの利益や社会の常識よりも、ワタミに奉仕することを良しとする「ワタミの常識」を刷り込まれた人間にとっては「世間が非常識」ということになるのだろう。

その狂った感覚を持つワタミの社員たちには「過労死するほど社員を酷使しているような居酒屋では、楽しくお酒を飲むことができない」という当たり前の庶民感覚も理解できない。

過労死裁判でも見解相違だと逃げまわり、ブラック企業批判は風評被害だと自らに有利なデータだけ出して直視しようとしない。
今回、介護事業を売却するほどの経営危機を迎えている。売却で資金繰りが多少改善したとしても「自らの武器の重み」すら理解できないのなら、いつまでたっても、客は戻らないだろう。

ワタミ介護売却へ、その経営危機の深刻度 | 週刊東洋経済(ビジネス) | 東洋経済オンライン

http://toyokeizai.net/articles/-/84127

引用の本文:ワタミが介護事業の売却を検討している。窮状をしのぐのが狙いだが、はたして問題解決になるのか。

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コメント

ID:1

名前:匿名

投稿日時:2015-09-24 20:26:03

幻の人参によって走る馬車馬は言い得て妙。
確かにその通り。
モチベーションなんて言葉で表現されるけど、なんらインセンティブを伴わなければ、強制労働と変わらない。

1位

ID:2

名前:匿名

投稿日時:2015-10-28 20:36:35

渡邉美樹が次期選挙で落選するのと同時に会社が無くなるなんてこともありえるかもね。

2位


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